あまり見ない形状のカシメ端子ですが、これはコネクター等に使用するものではなく、コード同士を接続したり一本のコードの途中から更に分岐をさせる為の専用の端子です。
以前からこの形状のものは弊社の製品や現場作業でも欲しくて、ずっと探していたのですが、今回サンプルを入手する事が出来ました。
コード同士を延長する様に使っています、被膜を剥いた銅線同士を接触させていますので、コネクターを使用した際に生じる導線―端子、端子―端子、端子―銅線という三回生じる接触は一回で済みます。
更に銅線を長めに重ねる事で、従来のスプライスと呼ばれる一か所のみのカシメ端子や、筒状の付き合わせ端子に比べても遥かに接触抵抗を下げる事が出来ます。
従って、割と大きな電流の流れるメイン電源線の分岐や、ステーターコイルとレギュレータ―間のコードの接続には最適と思われます。
更に接触抵抗を無くすのに半田を浸みこませました、ただ、以前にも何回か書きましたが一瞬で速やかに浸み込ませる様に作業出来なければむしろ銅線の酸化を進める事がありますので、無理に半田付けは行わない方が良い場合があります。
特にこの端子を使っている場合は既に接触面積は稼げていますので。
上は1.25SQ 下は0.75SQ同士のコードでの作業です。
どちらも作業性は良好です。
更に少々固めの熱収縮チューブで補強と絶縁を行います。
熱でシール材が被膜と一体化するタイプですので、導線部分は外気とも遮断され、相当年数腐食等による劣化は起こらないでしょう。
特に半田付けを行った場合は、中心部分のみが硬くなって振動でぽっきり折れてしまう場合もありますので、その部分に振動を集中させない意味でこういった補強は必須です。
試用した結果良好で、常備品としたいので多めに発注しました。
弊社製品にも付属品として使うつもりです。