私が担当するMK2の腰上OHです。内燃機加工が完了し、これから最終洗浄点検の後に組み上げの準備に入ります。
摩耗度合が大きかったバルブはHFバルブ(plus)へ変更。ガイドの消耗は許容範囲と判断し、シートカット/セット長合わせ/摺合せ+最小値面研というメニューです。シリンダーは最小値デッキ面研にトルクプレートを使用した精密ボーリング+スプラッシュホーニング仕上げです。使用するピストンは純正OS。
因みにKZ系以降はバルブガイドの材質が鋳鉄タイプへと変更され、それ以前に使用されていたリン青銅タイプに比べると摩耗変形度合は小さくなっています。
さて、振り向くと私の後ろで竹部がこんな作業を進めています。
定盤の上で全周分度器がセットされたカムシャフト。個々のカム別に性格を把握する為0.5度刻みに計測ポイントを定め記してゆくという地道な作業です。一般的に作用角と最大リフトで表されるカムのスペックですが、それらが仮に同じ数値であってもメーカー別に性格は異なります。グラフにして比較すると一目瞭然で面白いですよ。
この様な作業は直接仕事にはならない訳なんですが、解らない事は自分達で解明しそれをノウハウとしてセッティングや製品開発へと役立ててゆきます。大変地道な作業なのですが、時間を作っては夜な夜なこの手の作業をやっています。