デリバリーに向けて試作と修正、チェックを繰り返しておりますレーシングジェネレーターカバー(仮称)です。
ちなみに、このカバーは純正の発電システムは使用出来ず、専用のジェネレーターセットのみ組込み可能なマニアックアイテムですが、その分割り切った形状と作りをしています。
このカバーを使用するのは発電容量を大幅にアップ出来る強力なマグネットフライホイールとコア数の多いステーターコイルです。
コイルのマウント部分の剛性はもちろん、加工精度が非常に重要で、この部分の精度が悪いと振動や唸り音が発生したり、クランクシャフトの回転にも少なからず影響が出る場合があります。この為、エンジンの他の部分のカバーに比較すると内部加工の難易度が非常に高くなります。
Z1系の純正カバーは、ステーターコイルを外周でマウントする方式の為、中心部分は意外にも肉が薄く、軽い転倒でも穴が開いてしまう場合がありますが、弊社製カバーは、上記の様にステーターコイルのマウントをカバー中心で行う事になる為、周囲を含むセンター部分はかなり肉厚にしています。マウントベースのコイルとの接触面が丸くて面積を大き目にしてあるのは、マウント剛性面で有利なのとコイルが発電時に発生する熱のカバーへの伝導率を少しでも上げられないかと考えたのが理由です。
又、カット部分のエッジ内面は、サーキットでのバンク時の万が一の接地や転倒による穴開きでオイルの漏出を起こさぬ様に更に肉厚にしています。この部分は軽量化より強度と実用面、安全性を優先しました。
マグネットフライホイールとカバーとのクリアランス。
最も狭くなる部分のクリアランスはクランクシャフトにもよりますが、2~3mmとしています。