エイプリルフールの手巻きバルブスプリングはジョークですが、日本製技術で最高のZ用バルブスプリングを製作しようという試みは事実です。
既に試作品が仕上がっており、設定した仕様通りに仕上がっているか早速テスト中です。
ラインナップは2種類、左から
・オレンジマーキングのZ1系STDリフト~9.5mmリフトカム(各社のST1カム)迄のアウターシム用
・ライトグリーンマーキングの9.5mm以上のリフトカム(各社のST2カム以上)~11mmリフトのハイチューンカム GPZ用ハイリフト対応リテーナーを使用するインナーシム用
となります。
(一番右側に置いてある黄色マーキングのものは、比較の為のGPZ,Z1100R用の純正品です。)
さて、スプリング材自体が設計年次の違いによって異なる事で、Zの純正に使用されているものより遥かに耐久性が高くなっている事はもちろんですが、最大の特徴はコイル断面が通常の円形では無く、縦方向に短く横方向に長い卵型になっていると言う事です。
例えばSTD対応のものとZ1用の純正を並べます。
横から見ると左側の方が純正より細く見えます。
これを上から見ると左側のものの方が明らかに太くなっています。
これによって耐久性を保つ為、スプリング巻き数を確保しながらもハイリフト時の線間全密着によるバルブスプリングの破損やエンジンの損傷を防止出来ます。
例えば、GPZ1100用バルブスプリングを10mmリフトさせると、下の写真の様にほぼ密着直前で、ここからはカムリフトによる反力も純正カムのリフトに対して急激に上がります。
ちなみにGPZスプリングを11mmリフトさせるとほぼ全密着し、カムやタペットの急激な摩耗はもちろん、スプリング自体やカムチェーン、アイドラー類の破損も招きます。
こちらは弊社のハイチューンカム用ですが、11mmリフトさせても充分に安全マージンを残しながら、適正なカムリフト反力に収まっています。
最新の素材と形状を導入する事で得られるのは、フルスタンダードからハイチューンにも使えながら、純正品を大幅に上回る耐久性です。
又、純正部品に比較して遥かにへたり難いと言う特性を持ちますので、組み込み時の設定荷重はその分を見込んで最初から軽くする事が出来ます。
それによってフルSTDエンジンからチューニングエンジン迄、カムやメタル、カムチェーンやアイドラーを含む全ての寿命を延ばしながらエンジンは軽く回る様になります。