EFI化時にZ系に使用出来るフューエルポンプについて質問を受けましたのでここで。
キャブ車のZ系には当然ながらフューエルポンプは装備されていませんので、市販品もしくは純正の流用品から探すことになります。
又、現行のEFI車はタンク内にポンプを装備するものが殆どですが、Z1系の場合タンク下を切り裂いての加工は形状の都合で難易度が少々高い上に何より気が引けると言う向きもありますので、インタンク化は後の課題としてここは従来のインラインポンプ方式(タンクからEFIシステムのフューエルライン上にポンプが位置する方式)を紹介します。
ただ、市販品でオートバイ用として最初から設計されているものはまずありませんし、カスタム用として用意されているものは最も容量の少ない物でもZ系の出力に対しては一般的には容量が多過ぎるものが殆どです。
弊社のZ1000Jでは実験的に市販品の中でも最も容量の少ないものを使用していますが、これですら現状のエンジン仕様では少々オーバーですので、稼働率制御を行います。
下の写真上側のポンプは少し前迄の自動車用純正で、現在でも新品部品として入手が可能。
実はボディ規格としては実はカワサキのZ1100GPやGpz1100に使用されていたものと同じで、容量的には当時のものよりむしろ余裕があり、Z系でも140馬力出しても足りる程ですので一部の群を抜いたレース車を除けば充分です。弊社でも何台かのチューニングZにも使用して実績がありますし、何よりメーカーが市販車に使用していると言う事で耐久性は折り紙付きです。
参考までに、写真下側のポンプは現行乗用車にも使用されるインタンクポンプです。
より小型になって容量は確保出来てはいるのですが、残念ながらこれ単品で使用する事は出来ず、インラインタンクタイプとして使おうとするのであれば何かしらサブタンクケースを製作してその中に入れる必要がありますので、意外にサイズ的なメリットが無くなります。
(初期型のGSX-R1300がこの方式を採っていますが、フューエルフィルターや燃圧レギュレーターも装備しているとは言え、上のインラインタンク専用品より大きいです)
従って、レイアウトの容易さを考えると、一体型のフューエルポンプケースをユニット製作するより、レギュレーターやフィルターを分割配置した方が有利かも知れません。
何よりEFI化で実走出来る様にする事を第一目標にした方が良いかと思います。