昨夜ある確認作業の為、神原のZ1のヘッドを下しました。
実は数年前よりメッキシリンダーの耐久テストを長期に渡り行っています。そしてこの手の作業は全く同一条件でなければ、余程大きな差が出ない限り比較対象とならない為、敢えて1/2番シリンダーはノーマル鋳鉄ライナーを、3/4番シリンダーにはメッキを施し、ある程度の距離を走破した後にその状態を比較するというテストです。
ですから比較対象となるのは両端の1/4番シリンダー同士、そして2/3番シリンダー同士という事になります。この比較方法なら、乗り方の違い、使い方の違い、オイルの違い、コンディションの違いといった不確定要素を省くことが出来ます。
敢えてストリートで、そしてツーリングからチョイ乗り、峠や首都高と普段使いのシチュエーションで距離を刻んでいます。
こちらは4番シリンダーでメッキを施してある気筒です。一見キレイに見えますが赤く印した箇所に指の腹でもハッキリと分かる程の段差が出来ています。これは同じくメッキを施した3番シリンダーも同様です。因みにノーマルライナーには少なくともこの様な段付き摩耗は発生しておらず目視で見る限り正常な状態です。
後日、シリンダー、ピストン共に計測し更に状態の確認を行います。今回のメッキシリンダーもそうですが、金属表面処理、機能部品等のテストにおける是非の判断には手間と時間が大変掛かります。そして散々手間暇掛けてテストを繰り返した後、皆様にお披露目が出来れば良いのですが、結局デビュー出来ずにお蔵入りとなる物も少なくないんです。
大メーカーですら発売後のリコールは良くある話で、それこそ私達の様な小さなショップレベルでは、時間と手間を掛けてでも徹底的にテストを繰り返さないと自信を持って発売には至りません。
テストを買って出てくれた神原は、ある意味被験者となってくれたわけで、本当にお疲れ様でした。