クランクエンドが細めになっていて、純正であればインナーローター式発電を行っているZ1系クランク用マグネットローターの重量比較です。
うえはZ1用純正のインナーローター、1,336g
当社のGC(ジェネレーターコンバート)キットに使用する専用アウターローター、1,245g
比重の軽いアルミで出来ている純正の方に比べ、ほぼ鉄製のアウターローターの方が100g近く軽いのは意外かも知れません。
ただ、軽いからエンジンの廻りっぷりに差が出るかと言えば、実は機械的にはそれほど差が出ない事がわかっています。
インナーローターの方が100g重くてもその重量配分が軸寄りになっている為、回転に変化が起きる際の慣性効果が低くなる為ではないかとも思います。
中にはGCキットに変更したら明らかに吹け上がりが速くなって、トルク感が出たとおっしゃってくれる方も多いのですが、それはおそらく発電容量が向上して低回転域からバッテリー電圧やイグニッションコイルに供給される一次電圧が高めに安定する様になる事で、結果としてスパークエネルギーが向上したが為の結果だと思われます。
充電系がアップデートされる事で得られる副次的効果ですね。
さて、それでも更に軽量化した場合、機械的に変化がどうなるかも興味があります。
インナーローター方式のものは構造上軽量化は難しいのですが、アウターローター方式の場合はフライホイール(はずみ車)を兼ねている場合が多く、強度に影響しない範囲内で外周を切削すれば軽量化が可能です。
軽量化する場合、最後に回転バランスを取り直す必要があるので、どうせならと使用するワンウェイクラッチアッシを装着した状態で行いました。
これで、重量は更に軽い1,129g
加工による軽量化は120g程に留まりますが、さすがに200g以上の差と、切削したのは最外周の部分ですから、少なくとも標準仕様のGCキットローターのものに対しては違いは現れるのではないかなと期待しています。
もしかすると、軽量化による吹け上がりよりクラッチ組み込み状態でのフルバランスの方が振動面等で効果が出るかも知れませんし、どれもこれも軽量化すればいいってものではありませんが、これで走らせてみてどう変わるか、ちょっと楽しみです。