Z系ヘッドのセンターシール溝ですが、オリジナルブロックの場合ここは鋳造時のままですので、その後のブロック加工によっては割と深さに個体差があります。
又、全ての場所で同じ深さでは無く、このブロックは新車時から上面は研磨されていないにも関わらず、1.90~2.05mmとばらつきがある事と、同じ様にオリジナルのものでも最大2.3mm程度の深さのものがある事を考えると割と浅目に加工されている固体です。
さて、この部分に使われるセンターシールですが、断面は円形のOリングですから適正な潰し代というものがあります。
固定面の理想潰し代が15~25パーセントである事を考えると、Z系のセンターシール直径は4mmですので、溝深さとヘッドガスケット厚さの合計が3.4~3mmという事になります。
例えば、このヘッドの溝深さ平均が2.00mmとすると、理想ガスケット厚さは1.4~1mm。
もちろん理想幅を少しでも外れては駄目というわけではありませんので(その分シールの変形は起きますが漏れには繋がりません)弊社でラインナップするガスケットであれば1.5,1.3,1.1,0.9mmの4種の厚さのものが使えるとして良いでしょう。
更に厚い1.7mmだと、潰し代が10パーセントを切って来るとケース内圧によってはオイル滲みしたり、0.7mmだと潰し過ぎによる破断の可能性が高くなります。
それでもチューニングでセンターシール溝深さを確認した上で、ガスケットの厚さを変更する事でボアにもよりますが0.2mmごとに圧縮比で0.2~0.35程度も調整出来ます。
面研での圧縮変更の前にガスケット圧での調整はありでしょう。何せ削ってしまうと後には戻せませんので。
逆に、既に研磨されてしまったブロックやヘッドでも、上記の様にヘッドガスケットを問題ない範囲で厚くしたり、シリンダーベースガスケットを厚くして戻すこともできます。