学校ではないのですが、誰も居ない放課後にカムシャフトのデータ取り作業をしています。
今まで使用した実績の無いカムシャフトを使う場合等は、回転度数ごとに細かくリフト値を計測し記録に残します。遠心分度器をカムシャフトの取り付け測定ポイントごとにハイトゲージでカム山のリフトを計測し数値を記録してゆくという地道且つ根気の要る作業だったりします。
どのカムシャフトも基本データはマニュアルに記載されているのですが、作用角と最大リフトだけでは見えてこないカムの「性格」というものがあります。どこからどの程度リフトし始めて最大リフトに至るか。それは実際に計測してみないと見えてこないわけです。もっとも同系エンジンだけで言うのなら、慣れてくるとそのカム山の形状で何となく性格づけは見えてくるものですが、やはり実際に記録に残し比較出来るのがベストです。
更に、記録したデータを今度はグラフ化してやると、そのキャラクターの違いが一目瞭然で視覚化されベストです。
画像上は3種のカムシャフトを計測記録しグラフ化した物で、1本は純正ノーマルカムその他2本が社外製となります。グラフ化した事でそれぞれの違いが解りやすくなっていると思います。またこれらデータはバルブやバルブスプリング、ピストン等の製作時にも用いられています。
バルブタイミングや圧縮比その他様々な要素が複雑に絡まりセッティング後の結果となるわけですから、これだけを見て何かを語れる訳ではありません。しかしダイナモ上で取ったデータと重ねる事でまた見えて来るものがあったりもする訳です。そうする事で狙った特性のエンジンを組み為に、各パーツのチョイスにより明確な理由が見えてきます。何となく・・・ではなく理由ありきのチョイスなら尚安心できると思います。
非常に原始的かつチープな作業風景でお恥ずかしいのですが、放課後居残り作業の一部をご紹介でした。