何度か記事にしておりますが、シリンダーヘッドにカムシャフトを組み付けるカムホルダー締め付ける為のねじ山は、カムシャフト脱着やエンジンの熱、そして長年に渡ってのカムシャフトに対するバルブスプリングの反力がかかる事でねじとして機能しなくなるほどに弱って、遂にはボルトで締め付ける事が出来なくなってしまいます。
修理方法としては、1サイズ大きなねじ山を切ってスプリング状になっているコイルを挿入するヘリサート加工という方法が普及しています。
大事なのは、挿入するヘリサートコイルを短いものを使わない事です。
写真の様に短いものを使っても修理後最初のカムホルダーの組み付け時にこそきちんと締め付けは出来ますが、この様に短いものを使うといずれエンジンの使用中にコイル周辺のヘッド側ねじ山ごと引きぬけてしまいます。
こうなると修理をするにもコストは遥かにかかりますし、これが複数個所に及ぶとちょっと頭を抱えたくなるような金額になる場合があります。
可能な限り長めのコイル、(最大3スケアと呼ばれるもの）を使えばヘッド側で接触するねじ山も長くなり、負荷を分散できる面積も広くなりますのでその事態は防止できます。
